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三分節共栄社会

time 2019/07/24

タイトル 三分節共栄社会
作者 マーティン・ラージ(Martin Large) (著), 林 寧志 (翻訳)
発売日 2019年7月24日
価格 定価:本体 3718円(税込)

内容紹介

「市場」が私たちの生活全体を支配しかけたところで、金融危機、気候変動の危機、民主主義の危機がやってきた。これは、万人のために機能する社会に造り直せ、という人類に対する訴えである。福島原発での汚染水漏れが続きながらも脱原発の市民の声は政界・実業界に届かない。高齢化や?所得格差の拡大が進む中でどのように福祉政策を充実してゆくのか、教育改革の方向はどうあるべきか、これらの問いに対する答えはどこに見つかるのだろうか? 本書は「社会の三分節化」という新しい観点を用いて、市民界と政府官界が企業利益の影響力を牽制し、コモンズをみんなのために取り戻し、真の産学官協働への方向を示す。これはまた、自由主義(自由)、民主主義(平等)、社会主義(友愛・互恵)を矛盾することなく社会に実現する方法でもある。本書の第一部では、実業界(産)・政府界(官)を補完する第三の社会勢力、NGOやNPOその他の文化事業をシビルソサエティ「市民界」として捉え、この三界の境界線を明確にすることを説き、文化の領域では市民界が自由・多様性の原理をもって導き、権利・法制度の領域では政府界が平等の原理で導き、経済活動の領域では実業界が友愛・互恵の原理によって導くことで社会が健全になるというビジョンを提示する。第二部では、「三分節社会」の見取り図を用いて現代社会の問題点を分析し、いかに大企業の利益が国や文化を蝕んでいるかを指摘する。例えば、私有民営化によるコモンズの逸失、カネで買われた計画策定制度が大資本の生存のみ保障していること、官民癒着、大企業によるマスコミ支配、世論の操作、医療や教育のビジネス化、企業による科学の買収などは、いずれも企業利益が国や文化を乗っ取ったからであると論じる。これらの状況は市場原理主義型資本主義の進展によってますます悪化している。実例は英国からのものが多いが日本社会に当てはまるものも多く、本章を読むことによって日本の現状を分析するための新しい視点が得られる。第三部では、三分節論の視点から社会問題の根幹にある資本・労働・土地の捉え方に焦点を当て、土地や資源だけでなく資本も社会のおかげで蓄積されたコモンズであると考え、資本信託・土地信託などの方策を提示し、また、労働は商品ではなく市民の権利であるという観点からベーシックインカムを提唱する。市場原理型資本主義でも統制経済でもない新たなアプローチとしてかなりラディカルな提案もあるが、個人レベルで社会変革を促すための手がかりも同時に示されている。また、各章の囲み記事では、英米の時事問題に関する市民的視点からの論評を紹介する一方、グローバルに考えながらもローカルに行動するために数々のコミュニティ発展の実践を紹介する。これは日本全国で活動する市民運動の指針となるであろう。本書に関する背景:「社会の三分節化」は元来1919年にシュタイナー教育で有名なルドルフ・シュタイナーによって提唱されたもので、その著『社会問題の核心』は日本でも2010年に 春秋社から出版されている。「三分節論」は決してシュタイナーのイデオロギーではないが、今までシュタイナー思想に関心のある向き以外には知られていなかった。本原書の著者マーティン・ラージは「三分節論」に基づくものとしては初めて、『狂奔する資本主義』(ダイヤモンド社2007年)の著者アンドルー・グリン、『祝福を受けた不安-サステナビリティ革命の可能性 』(バジリコ 2009年))の著者ポール・ホーケン、『大転換—帝国から地球共同体へ』(一灯舎 2009年)の著者デービッド・コーテン、『(新訳)大転換』(東洋経済新報社2009年) の著者カール・ポランニー、『U理論——過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』(英治出版2010年)のオットー・シャーマーなども引用しながら、読者のために社会の現状を具体的に分析し、実際的な変革方法を示す。本書は次のような読者に特に役立つであろう。㈰自らの属するコミュニティや組織内で少しでも社会変革を促したいという意識的市民、㈪個人の自由・創造性と社会正義・共同体を両立させるための新しいビジョンを求める人たち、㈫CSR企業の社会責任に取り組む経営者、㈬行く先が見えなくなった社民党や新しい政治を模索する立憲民主党関係者やその支持者たち、㈭NGO、NPO、その他の市民活動に関わる人たち、㈮有機農業などを核にするコミュニティを築こうとしている人たち、㈯協同組合運動に関わる人たち、㉀持続可能な社会を実現するための変革プロセスを学びたい人たち、㈷緑の党や原発反対運動に携わる人たち、㉂コモンズとしての土地・文化・資本などに関心のある人たち、㉃新しい形の「産」「学」「官」の協働を求めるビジネスリーダー、文化人・市民運動家、政治家・公務員、㈹ルドルフ・シュタイナーの社会変革論に関心のある人たち。

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