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センター長のバイブル

time 2017/03/15

タイトル センター長のバイブル
作者 細木 和茂
発売日 2017年3月15日
価格 定価:本体1,534円(税込)
判型 A5判
ページ数 98ページ


内容紹介

物流は空気みたいなもので、良く出来ている時はその存在すら気になりません。
公害などで空気が澱んでくると、今日の空気はおかしいという事になります。物流も一緒です。普段何気なくうまくいっている時は気にも止めませんが、たった1つの事故やミスでその信頼も一挙に崩落することもあります。ただ空気と物流の違う点は、空気は無限ですが物流は有限です。この有限の資産をうまく活用して、日々信頼を落とさないようにしている中心人物がセンター長です。
本書ではこのセンター長にスポットを当て、陰に隠れた努力や気遣いを紹介しながら、センター長には顧客信頼向上のために、ここに留意して欲しいと力説しています。
それは私が経営コンサルタントになって30年、日本企業と韓国企業の主に物流の課題を解決してきました。30年間で日韓合わせて何千人の物流センター長に会ってきました。部品などの資材センター長も同様です。おそらく世界で一番センター長に会っているコンサルタントは私だと自負しています。だからこそ、センター長の苦労も誇りも理解しているつもりです。
それにしてもセンターでは、その取り扱い商品は1次産業、2次産業、3次産業すべて運営に仕方が違います。またバーコードのない商品も多数あります。そんな多岐にわたる商品を「預かった状態と同じ状態でお届けする」という使命を持っています。ホコリも傷などの損傷も転倒も許されない環境で、商品に真心込めて日々接しています。その私が普段脚光を浴びない、浴びることのないセンター長を本書で前面に押し出したいと思いました。それは私にしかできない事とも考えました。
そんなセンター長の評価を本来の評価に戻すためには、まずは誤出荷(注文と違う納品)と在庫不一致(本来あるべき在庫と実在する在庫の不一致)の2つに焦点を当て、本来は2つとも0にすべき事ですが、過去の蓄積もありまずは半減するという目的と趣旨で本書をまとめました。
本書の構成は第1章がセンター長の役割、第2章が誤出荷を半減する10のヒント、第3章が在庫不一致を半減する10のヒントとなっています。
第1章ではセンター長の役割というテーマで、管理すべき項目、目の付けどころ、技術、ドライバーの管理、センターレベルを上げるための方策などについてまとめています。
第2章では誤出荷を半減するというテーマで、誤出荷が多い順にまとめています。大きく分けて品名を間違えない、数量を間違えない、テレコと言いますが現品と伝票の貼り間違いをしない。この3つをさらに細分化して10のヒントとしてまとめています。
第3章では在庫とは、不一致とはから始めて、どこで間違う可能性があるのか、これも大きく3つに分けています。入出荷時の入力ミス、在庫更新のタイミングミス、異常処理の間違いです。さらにこれを細分化して10のヒントとしてまとめています。物流コンサルタント30年のノウハウ(エキス)をここに凝縮しました。物流の信頼度を上げるためには、誤出荷と在庫不一致をなくすこと。これに尽きます。まずは半減して顧客に感動を与えましよう。その半減するヒント(見方)が誤出荷と在庫不一致で各々10項目網羅しています。
このヒント(見方)があなたの味方になってくれます。最近のグローバルSCM(サプライチェーンマネジメント)はタイムリーに在庫の一致がなされていることが最低条件です。この在庫不一致0を達成して、SCMプレイヤーの仲間入りをして下さい。物流は各社その商品の荷姿・入出荷条件・使うシステムによって千差万別、同じ物流は2つないと言われていました。しかし、物流課題解決には同様の手法を使い、各企業のレベルに合わせて改善内容は相違しますが、見るべきポイントは同じだということに気づきました。特に誤出荷と在庫不一致は見るべき見方は同じ事に気づきました。
ここにその見方をヒント集にして電子書籍として出版いたします。電子書籍にした目的は現場でミスやヒヤットしたことがあったその場で、スマートフォーンでヒントを確認してもらうためです。このように事故やミスは現場で起き、その場で状況を確認して、スマホでヒントを見ながら対策を考える様にして欲しいと思いました。
ご存知のように物流業務は事業としてはあまり儲かりません。特にアクションだけを行う企業は疲れることはあっても、疲労がとれるほど嬉しいこと、喜ぶことは少ないと思います。アクションだけをする企業よりも、本書のような改善ができ、顧客に提案できる企業までレベルを上げてください。一方では少子高齢化で働く人も少なくなります、ドライバーの希望者も少なくなります。人が変わっても事故もミスも起きない現場にすること。これが顧客に感動を与えます。本書を通して顧客の信頼を永遠に勝ち取り、事業の継続成長を応援いたします。

著者紹介

経営コンサルタントとして30年200社支援してきました1社を除き、199社は業績が順調です。
200社の中で130社は韓国企業ですその韓国企業のクライアントの1つに、韓国の辛ラーメンの会社があります。辛いという漢字は、日本では「つらい」という意味もあると話をしたら、それなら「一」を書き加えて「幸せ」という字をつくったらどうかと言われました。それ以来、私は名刺代わりに辛ラーメンに「一」を書き足して幸せ経営を指導するコンサルタントと名乗っています。
特にインターネットの時代になると、既存客が知らないうちに離れていく事もあり、顧客数も先細りしています。バブルの時は離れる以上に新規の顧客がありましたが、今は意識した経営をしないと顧客を維持できません。これが幸せ経営の根底にあると思っています。私のコンサルテイングの主戦テーマは「物流・ロジスティクス・SCM」です。私の物流のモットーは「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」です。これは電子書籍にもしました。決して欠品を起こさない、かと言って在庫を過剰に保有しない、万が一欠品を起こした場合でも最短時間で供給する。そのためには今までの発注が来てから行動を起こすのではなく、市場の売れ筋兆候を、生産・調達、物流・仕入れの各企業が同時に同じ情報を見て、一斉に行動する仕組みに変える事が最終的に全体最適解になる。これが私のコンセプトです。
生産・物流・販売は各々利害関係のある別法人です。従ってややもすれば、各企業のエゴが働いて全体最適解にならない事が多い。まさに部分最適解の積み重ねは全体最適解とイコールではないというコンセプトです。反面、生産・物流・販売が1社の企業もあります(オペレーションは別の企業が担当していても、全体に指示や管理を行う企業が1社という意味です)。利害関係のある企業がバラバラのコンセプトで運営していれば、当然1社がコントロールする全体最適解の企業に負けてしまいます。生産・物流・販売をあたかも1社の如く、コントールし、どこでいつ行動を起こすのかを仕組みとして作り上げる事が、SCMと考えています。その行動指針として「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」があると考えてください。
私は日本がバブルの終わりごろ(1988年)に、韓国企業のコンサルテイングに初めて行きました。1988年はソウルオリンピックの時で、韓国は漢江の軌跡と言われた高度成長期の真っただ中でした。この頃は日韓ともにまだ高度成長期なので、つくれば売れた時代、在庫よりどれだけつくれるか、どれだけ運べるかがマネジメント課題でした。ところが1992年に日本でバブルが弾け、1998年に韓国ではアジア通貨危機が訪れ、不景気の始まりでした。この頃はつくっても売れない時代、何が売れるのかもわからない時代です。従ってサプライヤーは多品種に品揃えして、何が売れるのか顧客が選択するのを待っていた時代です。
物流で言えば、多品種小ロット多頻度物流の仕組みをつくる時代でした。そして21世紀に入るとインターネット時代の到来です。顧客は欲しい商品を選択し、価格比較をしてネットで購入し届けてもらう。そしてその商品のレビューを書き込む。他の顧客はこのレビューを見て購入する。この繰り返しなので、市場では売れ始めると2倍3倍に売れるどころか、2乗3乗になって売れる事も頻繁に発生しました。
逆もあります。口コミなどで評価がイマイチになると1/2,1/3ではなく、1/4、1/8に激減することもありました。どんな時でも「欠品を起こさず、在庫過剰にならず」がネット時代のマネジメント課題です。それと同時にネット時代になると、個性的なものが要求され、そのオプション加工工程や進捗度合いもスマホなどでモニタリングできるようにもなりました。まさに個別化対応かつ届ける仕組みが必要になってきました。この時に「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」を私は世に提唱してきました。
コンサルタントを30年もやっていたおかげで、「大量生産・大量販売時代」「多品種小ロット多頻度時代」「個別の要求に応じた宅配時代」の3つを経験できました。これが長くコンサルタントをやってきた財産になっています。アジアの地域によっては、高度成長もあり中成長もあり低成長もあると思いますが、それぞれに応じたマネジメント課題は解決できます。これが私の代名詞になってきました。

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